100年前の三味線 〜幻の竹棹を寄贈

藤本秀康は大正13年(1924年)に大阪の博覧会に出品された貴重な竹でできた三味線を保有していました。四世杵屋彌七考案の竹棹三味線で、皮の代わりに胴は裏表とも桐張りです。現在ではほぼ残っていない貴重なものです。

 

 

当時の花梨の三味線は20円だったようですが、竹棹三味線は5円で販売されていたということで、庶民でも手が入りやすかったようです。現在の三味線の棹は紅木や紫檀、花梨でできています。

 

 

竹棹三味線には持ち運ぶための木の箱も付いており、駒をしまう桐箱にはなんと三味線を持ち歩く女性の姿が描かれておりました。昔はこうして運んでいたという様子が見て取れます。東京・神田の三味線教室でお披露目した後、このたび令和2112日、考案された杵屋彌七(昭和2年より杵家と改名)六世家元様に寄贈させていただきました。